IUU漁業対策フォーラム

メディアセミナー「IUU(違法・無報告・無規制)漁業と奴隷労働・人権侵害問題」レポート/資料

IUU漁業対策フォーラム(WWFジャパン、株式会社シーフードレガシー、セイラーズフォーザシー日本支局、GR Japan株式会社)は、6月4日に報道関係者向けのセミナーを開催したしました。翌日の6月5日は、IUU漁業対策の国際的条約である「寄港国協定」(PSMA)が発効された日であり、2017年12月に国連総会決議によって「IUUデー」と定められました。このIUUデーを機に、今回のセミナーは「IUU」という問題について、メディアの方々の理解を深めることを目的に開催いたしました。

本セミナーは「基礎編」と「応用編」の2部構成で行われ、前半の「基礎編」は「IUUの実態とケース~海洋環境保護~」をテーマに当フォーラムから、滝本 麻耶(WWFジャパン 海洋水産グループ)、花岡 和佳男 (株式会社シーフードレガシー 代表取締役社長)、小谷野 祥浩 (IUU漁業対策フォーラム事務局/GR Japan株式会社公共政策マネージャー)の3名が登壇し、日本の水産物市場におけるIUU漁業のリスクや、欧米の取り組みなどを紹介。主要先進国が輸入規制やトレーサビリティー確保など積極的に取り組む中、世界屈指の水産物輸入・消費大国である日本は他国に遅れをとっており、国際社会から早急な対応が求められていることを説明しました。

滝本 麻耶 花岡 和佳男 小谷野 祥浩

後半の「応用編」は「IUU漁業と人権侵害問題」をテーマに、冒頭で小谷野 祥浩よりIUU漁業と人権侵害問題の関連性とその背景情報を解説。その後、東南アジア地域でのタイの水産業における人権侵害問題にフォーカスした国際ドキュメンタリー映画「ゴースト・フリート」(日本未公開)の未公開インタビュー映像を特別上映しました。今もなお行われているであろう、残酷かつ極めて悪質な奴隷労働環境について、実際に漁船で奴隷労働を強いられた元漁船乗組員が語る映像をご覧いただいた後、国際協力機構(JICA)の人身取引対策事業国内委員でもある齋藤 百合子先生(明治学院大学 国際平和研究所 研究員)に、タイに帰国したインドネシア沖の漁船で強制労働させられていた元乗組員複数のインタビューを含めた調査研究について講演していただき、サプライチェーンの末端で行われている児童労働や移民労働の実情を紹介しました。また、このような環境で獲られた水産物を日本が輸入している可能性についても触れ、日本が水産輸入・消費国として、サプライチェーンの透明性の確保等をとおして正規の水産物の流通を促す政策の必要性と、これからのメディア報道への期待についてお話いただきました。

インタビュー映像を特別上映 齋藤 百合子 先生
齋藤 百合子 (明治学院大学 国際平和研究所 研究員)
2018年3月まで明治学院大学国際学部客員教授および国際協力機構(JICA)の人身取引対策事業国内委員。調査研究で、タイに帰国したインドネシア沖の漁船で強制労働させられていた元乗組員複数のインタビューを実施した。主な論文、著書は次の通り。「「ビジネスと人権に関する国連指導原則」の意義と課題—「侵害された人権の救済」の再検討—」明治学院大学『国際学研究』第54号 2019年3月、「タイ国における人身取引に対する取組と課題」『人の国際移動と現代日本の法 人身取引・外国人労働・入管法制』大久保史郎他編著、日本評論社 2017年、他。

IUU漁業対策フォーラムは今後も、水産物を含む輸入物の調達・サプライチェーン透明化を図る制度導入に向けて、メディアの方々を中心に啓発活動に取り組んでまいります

詳細は下記の資料をご覧ください。

【参考資料】欧米の水産業会におけるIUU漁業対策の取り組み_シーフードレガシー_花岡 和佳男

【参考資料】IUU漁業と奴隷労働・人権侵害問題_齋藤百合子先生


2019/06/11